色々ネタ置き場(主にRKRN)。
主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
何故か園部心愛が沙衣と美也の部屋に居候をしていたので、沙衣は「三人じゃ狭いから私隣に移るね」と自分の荷物を抱えて隣の空き部屋に移動した。心愛と他の三人は「そうね。ごめんね沙衣ありがとう」と言葉を唇に乗せた。
帰って来た時に感じた違和感は、心愛が沙衣の私物を借りていた、と言うことなので沙衣はその私物を全て焼き払った。
あの女が使ったものなんて、使いたくないもの。
お話しましょう、と心愛に誘われ、美也や弥白、皐月と他愛ない話に花を咲かせる度に沙衣は心愛を心底嫌いになっていった。苦労したことのないような手、私はとても優しい子なの、と主張するような話題。それに追従する美也たち。基本的に彼女たちも心愛のようなタイプの人間は嫌っているはずなのに、「さすが心愛さん」と心からの賛辞を送る。
沙衣はそれに対して「そうね」と愛想笑いで相槌を打つだけ。それだけでみんな満足。
「出ていってください」
ぴしゃりと沙衣が厳しい表情と声でそう言うと、目の前の女性は泣きそうに顔を歪め、周りの後輩たちは驚いたように沙衣を見た。
場所は煙硝倉前。
煙硝倉の入り口で呼びとめられた沙衣は振り返りざまにそう言った。
「あ、あの、沙衣先輩…心愛さんは僕たちを手伝ってくれようと「いーちゃん」
可愛くて優しい一年の後輩に視線を向けると、彼は怯えたように普段は仲が悪い二年生の後ろに隠れた。それにショックを覚えながらも沙衣は静かに声を紡ぐ。後輩に、そして常識知らずの異邦人に向けて。
「……いーちゃん。確かに私たちの委員会は人数が少ない割に力仕事が多いわ。しかも火薬壺を普通に抱えられるのはつい先日までは私とくーだけだもの。ええ、認めるわよその点。人数が多いに越したことないのはね」
腰に手を当て、威圧するように後輩たちを睥睨する。殺気は出してはいないが、辺りはしんとして、五年の久々知兵助までも顔色が若干悪い。
「…じゃあ~、心愛さんが来ても問題ないよねぇ? 沙衣ちゃん先輩」
四年の斎藤タカ丸が声を若干震わせながらも言うと、冷えた視線を彼に向ける。彼はへらりと笑って口をつぐんだ。
「タカ。そう言う問題じゃないの。私たちが扱っている物は何かしら。ろじ」
「火薬です。沙衣先輩」
二年の池田三郎次は声を固くしながらもい組らしく律儀に答える。
「そう。火薬よ。それを聞いて、何を連想する? いーちゃん」
「…焙烙…火矢、や…火縄銃など、爆発するもの、危ないもの、です」
伊助の答えに沙衣は大きく頷く。そして、心愛を連れてきた兵助に視線をやる。
「くー。一年生でさえ、火薬は危険なものと認識しているの。煙硝倉は常に乾燥していてちょっとした摩擦によっても引火して爆発する恐れがある。先日も、ツバメの巣を壊したわよね? ツバメがうっかり煙硝倉に侵入した場合、羽ばたきによる摩擦で火薬に引火する可能性があるから。私たちやツバメを守るための行為だわね。それぐらいに火薬は慎重に扱わねばならない物なの。それを、火薬の取り扱いを知らない素人に手伝わせようなんて、いい度胸しているじゃない」
つ、と沙衣の唇が美しく弧を描く。ひくり、と後輩たちは息を呑んだ。
「彼女の一挙手一投足で、私たちや学園に甚大な被害を与える恐れがあるのよ。それを分かっていてアンタは彼女を連れて来たのよね?」
ご立派ね?
にこりと沙衣は笑う。それは瞳だけが一切笑っていない、綺麗な形だけの笑み。これはヤバい、と久々知以下火薬委員たちは戦慄する。普段喜怒哀楽がハッキリしている沙衣ではあるが、本気で怒ると笑うのだ。図書委員長である六年ろ組の中在家長次のようにゲラゲラと笑うわけではなく、冷ややかに静かに笑うのだ。普段の表情の変化が激しい沙衣を見ている人間にとっては恐怖以外の何物でもない。
「そ、そんな風に言うなんて、酷いじゃない!」
驚いたように久々知以下火薬委員の視線が沙衣の怒りの原因である園部心愛に向けられる。
「私は皆が大変そうだと思って好意でお手伝いしようと思ったのに、そんな言い方ないじゃない!!」
ゆっくりと、沙衣は視線を心愛に向けた。凍てついた視線に、びくり、と心愛は背筋を震わせた。あの瞬間五度くらい気温が下がったんじゃないか、と後々火薬委員一同は語る。
「あなたは何も分かってないんですね。園部さん。その好意はありがたく受け取ります。ですが、その好意を全ての人がありがたむとは思ってはなりません。火薬の取り扱いはあなたが思っている以上に危険なのです」
そう言いながら沙衣は、何でこんなのに一々親切に注意をしてあげているのだろう、と苛々と心中で唸る。
「あなたが万が一死ぬような目にあうと、この子たちが悲しみます。自分たちが、煙硝倉は危険だと知っていたのに、何で止められなかったのだろう、と。なので、この作業が終わる頃におにぎりやお茶でも持ってきてくだされば……それだけで私たちの疲れが癒されます。ですので煙硝倉内の作業はご遠慮して頂いてもよろしいでしょうか。あなたの美味しいおにぎりとお茶を頂けると思えば、この子たちも目いっぱい頑張ってくださるでしょうし……それでは駄目でしょうか?」
沙衣よりも若干背の高い心愛を上目遣いに見上げ、沙衣は可愛らしく小首を傾げた。きゅんっ、と謎の効果音と共に心愛の頬が薔薇色に染まる。
「わ、分かった! 私いっぱいおにぎり作るね! ごめんね沙衣ちゃん! じゃあみんな頑張ってね」
心愛の声かけに、沙衣以外の火薬委員は元気に返事を返す。
あー、これで邪魔者がいなくなった。
それにしても、学園の生徒大半が信者じゃんどゆことこれもー。
苛々する……。
ていうか、部外者に易々と煙硝倉の位置を知らせちゃ駄目だっていう禁則を守らないってどういうことよもー!!!
土井センセー!
帰って来た時に感じた違和感は、心愛が沙衣の私物を借りていた、と言うことなので沙衣はその私物を全て焼き払った。
あの女が使ったものなんて、使いたくないもの。
お話しましょう、と心愛に誘われ、美也や弥白、皐月と他愛ない話に花を咲かせる度に沙衣は心愛を心底嫌いになっていった。苦労したことのないような手、私はとても優しい子なの、と主張するような話題。それに追従する美也たち。基本的に彼女たちも心愛のようなタイプの人間は嫌っているはずなのに、「さすが心愛さん」と心からの賛辞を送る。
沙衣はそれに対して「そうね」と愛想笑いで相槌を打つだけ。それだけでみんな満足。
○×△
「出ていってください」
ぴしゃりと沙衣が厳しい表情と声でそう言うと、目の前の女性は泣きそうに顔を歪め、周りの後輩たちは驚いたように沙衣を見た。
場所は煙硝倉前。
煙硝倉の入り口で呼びとめられた沙衣は振り返りざまにそう言った。
「あ、あの、沙衣先輩…心愛さんは僕たちを手伝ってくれようと「いーちゃん」
可愛くて優しい一年の後輩に視線を向けると、彼は怯えたように普段は仲が悪い二年生の後ろに隠れた。それにショックを覚えながらも沙衣は静かに声を紡ぐ。後輩に、そして常識知らずの異邦人に向けて。
「……いーちゃん。確かに私たちの委員会は人数が少ない割に力仕事が多いわ。しかも火薬壺を普通に抱えられるのはつい先日までは私とくーだけだもの。ええ、認めるわよその点。人数が多いに越したことないのはね」
腰に手を当て、威圧するように後輩たちを睥睨する。殺気は出してはいないが、辺りはしんとして、五年の久々知兵助までも顔色が若干悪い。
「…じゃあ~、心愛さんが来ても問題ないよねぇ? 沙衣ちゃん先輩」
四年の斎藤タカ丸が声を若干震わせながらも言うと、冷えた視線を彼に向ける。彼はへらりと笑って口をつぐんだ。
「タカ。そう言う問題じゃないの。私たちが扱っている物は何かしら。ろじ」
「火薬です。沙衣先輩」
二年の池田三郎次は声を固くしながらもい組らしく律儀に答える。
「そう。火薬よ。それを聞いて、何を連想する? いーちゃん」
「…焙烙…火矢、や…火縄銃など、爆発するもの、危ないもの、です」
伊助の答えに沙衣は大きく頷く。そして、心愛を連れてきた兵助に視線をやる。
「くー。一年生でさえ、火薬は危険なものと認識しているの。煙硝倉は常に乾燥していてちょっとした摩擦によっても引火して爆発する恐れがある。先日も、ツバメの巣を壊したわよね? ツバメがうっかり煙硝倉に侵入した場合、羽ばたきによる摩擦で火薬に引火する可能性があるから。私たちやツバメを守るための行為だわね。それぐらいに火薬は慎重に扱わねばならない物なの。それを、火薬の取り扱いを知らない素人に手伝わせようなんて、いい度胸しているじゃない」
つ、と沙衣の唇が美しく弧を描く。ひくり、と後輩たちは息を呑んだ。
「彼女の一挙手一投足で、私たちや学園に甚大な被害を与える恐れがあるのよ。それを分かっていてアンタは彼女を連れて来たのよね?」
ご立派ね?
にこりと沙衣は笑う。それは瞳だけが一切笑っていない、綺麗な形だけの笑み。これはヤバい、と久々知以下火薬委員たちは戦慄する。普段喜怒哀楽がハッキリしている沙衣ではあるが、本気で怒ると笑うのだ。図書委員長である六年ろ組の中在家長次のようにゲラゲラと笑うわけではなく、冷ややかに静かに笑うのだ。普段の表情の変化が激しい沙衣を見ている人間にとっては恐怖以外の何物でもない。
「そ、そんな風に言うなんて、酷いじゃない!」
驚いたように久々知以下火薬委員の視線が沙衣の怒りの原因である園部心愛に向けられる。
「私は皆が大変そうだと思って好意でお手伝いしようと思ったのに、そんな言い方ないじゃない!!」
ゆっくりと、沙衣は視線を心愛に向けた。凍てついた視線に、びくり、と心愛は背筋を震わせた。あの瞬間五度くらい気温が下がったんじゃないか、と後々火薬委員一同は語る。
「あなたは何も分かってないんですね。園部さん。その好意はありがたく受け取ります。ですが、その好意を全ての人がありがたむとは思ってはなりません。火薬の取り扱いはあなたが思っている以上に危険なのです」
そう言いながら沙衣は、何でこんなのに一々親切に注意をしてあげているのだろう、と苛々と心中で唸る。
「あなたが万が一死ぬような目にあうと、この子たちが悲しみます。自分たちが、煙硝倉は危険だと知っていたのに、何で止められなかったのだろう、と。なので、この作業が終わる頃におにぎりやお茶でも持ってきてくだされば……それだけで私たちの疲れが癒されます。ですので煙硝倉内の作業はご遠慮して頂いてもよろしいでしょうか。あなたの美味しいおにぎりとお茶を頂けると思えば、この子たちも目いっぱい頑張ってくださるでしょうし……それでは駄目でしょうか?」
沙衣よりも若干背の高い心愛を上目遣いに見上げ、沙衣は可愛らしく小首を傾げた。きゅんっ、と謎の効果音と共に心愛の頬が薔薇色に染まる。
「わ、分かった! 私いっぱいおにぎり作るね! ごめんね沙衣ちゃん! じゃあみんな頑張ってね」
心愛の声かけに、沙衣以外の火薬委員は元気に返事を返す。
何でこんなに奴に気を使わなきゃいけないんだ。
あー、これで邪魔者がいなくなった。
それにしても、学園の生徒大半が信者じゃんどゆことこれもー。
苛々する……。
ていうか、部外者に易々と煙硝倉の位置を知らせちゃ駄目だっていう禁則を守らないってどういうことよもー!!!
土井センセー!
PR
この記事にコメントする
カレンダー
11 | 2024/12 | 01 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |
オフライン
「ツキトリム」
cookieさんと合同で「めろんしろっぷ。+ツキトリム」で参加中。
参加予定。
09/16 COMIC CITY 福岡30:M48b
10/21 十忍十色 筑前の段 其の六:H5,6
発行物。
かんたんなはなし(タカ綾)
この好きは『好き』でいいのでしょうか?(次浦+綾)
私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
cookieさんと合同で「めろんしろっぷ。+ツキトリム」で参加中。
参加予定。
09/16 COMIC CITY 福岡30:M48b
10/21 十忍十色 筑前の段 其の六:H5,6
発行物。
かんたんなはなし(タカ綾)
この好きは『好き』でいいのでしょうか?(次浦+綾)
私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
カテゴリー
最新記事
(02/05)
(10/20)
(09/23)
(09/12)
(06/17)
リンク
相互*敬称略*
めろしろ。
cookie
小説など。ジェ○禁、落乱、APH、そのほか雑食。
徒然なるままに
ナルミ
夢小説や二次・小ネタブログ。落乱・PH・青エク・イナイレなど。
サーチ。お世話になってます。
NRN
素材。お世話になってます。
web*citron
めろしろ。
cookie
小説など。ジェ○禁、落乱、APH、そのほか雑食。
徒然なるままに
ナルミ
夢小説や二次・小ネタブログ。落乱・PH・青エク・イナイレなど。
サーチ。お世話になってます。
NRN
素材。お世話になってます。
web*citron
ブログ内検索
Twitter
プロフィール
HN:
いお
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/03/19
自己紹介:
五年(特にい組)と三年と綾部が好きな一般人←
最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
***
最新トラックバック