色々ネタ置き場(主にRKRN)。
主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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一人の寂しん坊は一人でただただ泣いていて。
もう一人の寂しん坊が寂しん坊をみぃつけた。
寂しん坊と寂しん坊が手を取って、寂しん坊の原因を倒してしまおうと声をそろえた。
一人ぼっちを、寂しん坊を終わらせてくれた場所を取り戻すために。
もう一人の寂しん坊が寂しん坊をみぃつけた。
寂しん坊と寂しん坊が手を取って、寂しん坊の原因を倒してしまおうと声をそろえた。
一人ぼっちを、寂しん坊を終わらせてくれた場所を取り戻すために。
友人たちや愛しい人は、天女と形容される少女を心から賛美する。
委員会の後輩たちも「心愛さんはとても優しくて素敵な天女様」と賛辞を述べる。
皆が皆、心愛を褒め称え、自分にもそれを押し付ける。
沙衣は後々のことを考えて「そうね、素敵ね」「優しい人だわ」「平成って所が天女が住む天上の名称なのかしら」と話を合わせる。
そんな生活に我慢して、しばらくが経つ。
短気な性質ではないが、そろそろ我慢の限界だった。
吐き出したい思いを吐き出してしまえば、四面楚歌の状態に陥ることは目に見えている。
先日も若干吐いたが、一応はフォローしたので(というか周りは後輩しかいなかったし)特に何かを言われることもなく。
ていうか、私の言ったことはハッキリ言って正論以外の何物でもないのよねー。
でも何かといちゃもん付けられるのはごめんだわ。
いくら“火の姫”と恐れられようとも、一人で全校生徒と戦うのは無謀でしかない。
“四姫”であれば、全校生徒を敵に回しても十分勝つ見込みはあるのだが。その内の三姫が天女と崇拝されている女の側についているのだ。そして“桜橘”と呼ばれる双璧も。“狂科学者(まっどさいえんてぃすと)”や“金の聖母(まりあ)”も。
くノたまも忍たまもあの女に誑かされている。
どんな幻術を使ったのかは知らないけれど、私の周りは全て敵ばかり。
そうしてふと、一つの光を見出した。
……三郎は、どうしてるのかしら。
ふてぶてしいようで、実は脆くて同級生の不破雷蔵と委員会の先輩である秋月皐月にほとんどべったりな後輩を思い浮かべて沙衣は忍たま長屋へと侵入を図った。
だって、あの人見知りがそう易々外部の人間と仲良くなれるわけがないもの。
五年長屋の屋根裏を気配を消しながら進む。
そうして、ろ組の区画に入り、大体この辺り…と沙衣はそっと天井板を少しずらして下をのぞく。
もっさりとした明るい色合いの髪の少年が青紫の装束でごろりと床に転がっている。顔は不破雷蔵の物だが……変姿に長けた人間はそれがその人間のホントの姿かどうかが瞬時に判別できる。沙衣も三郎もそういうのが分かる性質だ。だから沙衣はすぐに下にいるのが三郎だと判断した。
「三郎」
そう呼ぶと、三郎の視線が天井へと向く。不破雷蔵と同じ丸い目が「おや」と瞠られる。
「珍しいですね。沙衣先輩。部屋を間違われていませんか。兵助はい組区画なのでもっと手前ですよ」
「今回はくーに用事があるわけではないの。アンタに用事があるのよ。鉢屋三郎。アンタはこっち側だと思ってね」
す、と三郎から表情が消えた。
「何のことでしょうか。霧壺沙衣先輩」
「とぼけなくっていいわよ。アンタも嫌いでしょ。あの女」
音もなく天井裏から沙衣が降り立つと、三郎は疑り深そうな視線で沙衣を見上げた。真意を謀りかねているようだ。
「……沙衣先輩は、あちら、ではないんですね?」
三郎の言葉に当然じゃないと沙衣は鼻で笑う。
「私ってば結構了見が狭いのよ。私の大事な箱庭を壊されかけてんだから、黙って見ている手はないわ」
沙衣は三郎に向かって手を伸ばす。三郎に向けた笑みは普段よりも一等優しいそれ。寂しくて仕様がない三郎にとってそれは魅惑のもの。沙衣は「三郎」と優しく名を呼ぶ。
それが契機。
沙衣が伸ばした手を、三郎はゆっくりと取る。
「雷蔵も、皐月先輩も、兵助も、勘右衛門も、八左ヱ門も、皆私を忘れてしまったように、心愛さんばかりに構うんです。おかえりも言ってくれない。ただいまも、言わせてくれなかった。天女が天に還れば元に戻りますよね沙衣先輩……!」
伸ばされた手にすがりつくようにして三郎が問うと、沙衣は彼が欲しい言葉を、望む言葉を囁く。それは己自身も求めるもの。
「そうよ。あんなのがいなくなってしまえばいつも通りの学園が戻って来るの。三郎。あの幻術師から皆を守ろうね」
沙衣はするりと雷蔵の顔の三郎の頬を撫ぜ、頭を撫でる。忘れられてささくれだった三郎の心にしみわたるそれに、彼はぎゅうっとしがみつく。そんな三郎の背を沙衣は優しく撫でてやる。
「三郎。早く私たちの学園を取り戻しましょう。ここは私たちにとってとても神聖な場所。まだ人であることを許される場所。大事な大事な箱庭」
あんな阿婆擦れ、ここには要らないんだから。
きれいにお掃除しましょうね。
“金の聖母”は汐琉。
彼女だけ、二つ名ないし…。
とりあえず暫定的に。多分、あの中で唯一まともな人間だから“聖母(まりあ)”のよう…! 的な。
“金”は金髪から。
委員会の後輩たちも「心愛さんはとても優しくて素敵な天女様」と賛辞を述べる。
皆が皆、心愛を褒め称え、自分にもそれを押し付ける。
沙衣は後々のことを考えて「そうね、素敵ね」「優しい人だわ」「平成って所が天女が住む天上の名称なのかしら」と話を合わせる。
そんな生活に我慢して、しばらくが経つ。
短気な性質ではないが、そろそろ我慢の限界だった。
吐き出したい思いを吐き出してしまえば、四面楚歌の状態に陥ることは目に見えている。
先日も若干吐いたが、一応はフォローしたので(というか周りは後輩しかいなかったし)特に何かを言われることもなく。
ていうか、私の言ったことはハッキリ言って正論以外の何物でもないのよねー。
でも何かといちゃもん付けられるのはごめんだわ。
いくら“火の姫”と恐れられようとも、一人で全校生徒と戦うのは無謀でしかない。
“四姫”であれば、全校生徒を敵に回しても十分勝つ見込みはあるのだが。その内の三姫が天女と崇拝されている女の側についているのだ。そして“桜橘”と呼ばれる双璧も。“狂科学者(まっどさいえんてぃすと)”や“金の聖母(まりあ)”も。
くノたまも忍たまもあの女に誑かされている。
どんな幻術を使ったのかは知らないけれど、私の周りは全て敵ばかり。
そうしてふと、一つの光を見出した。
……三郎は、どうしてるのかしら。
ふてぶてしいようで、実は脆くて同級生の不破雷蔵と委員会の先輩である秋月皐月にほとんどべったりな後輩を思い浮かべて沙衣は忍たま長屋へと侵入を図った。
だって、あの人見知りがそう易々外部の人間と仲良くなれるわけがないもの。
寂しん坊と寂しん坊。
五年長屋の屋根裏を気配を消しながら進む。
そうして、ろ組の区画に入り、大体この辺り…と沙衣はそっと天井板を少しずらして下をのぞく。
もっさりとした明るい色合いの髪の少年が青紫の装束でごろりと床に転がっている。顔は不破雷蔵の物だが……変姿に長けた人間はそれがその人間のホントの姿かどうかが瞬時に判別できる。沙衣も三郎もそういうのが分かる性質だ。だから沙衣はすぐに下にいるのが三郎だと判断した。
「三郎」
そう呼ぶと、三郎の視線が天井へと向く。不破雷蔵と同じ丸い目が「おや」と瞠られる。
「珍しいですね。沙衣先輩。部屋を間違われていませんか。兵助はい組区画なのでもっと手前ですよ」
「今回はくーに用事があるわけではないの。アンタに用事があるのよ。鉢屋三郎。アンタはこっち側だと思ってね」
す、と三郎から表情が消えた。
「何のことでしょうか。霧壺沙衣先輩」
「とぼけなくっていいわよ。アンタも嫌いでしょ。あの女」
音もなく天井裏から沙衣が降り立つと、三郎は疑り深そうな視線で沙衣を見上げた。真意を謀りかねているようだ。
「……沙衣先輩は、あちら、ではないんですね?」
三郎の言葉に当然じゃないと沙衣は鼻で笑う。
「私ってば結構了見が狭いのよ。私の大事な箱庭を壊されかけてんだから、黙って見ている手はないわ」
沙衣は三郎に向かって手を伸ばす。三郎に向けた笑みは普段よりも一等優しいそれ。寂しくて仕様がない三郎にとってそれは魅惑のもの。沙衣は「三郎」と優しく名を呼ぶ。
それが契機。
沙衣が伸ばした手を、三郎はゆっくりと取る。
「雷蔵も、皐月先輩も、兵助も、勘右衛門も、八左ヱ門も、皆私を忘れてしまったように、心愛さんばかりに構うんです。おかえりも言ってくれない。ただいまも、言わせてくれなかった。天女が天に還れば元に戻りますよね沙衣先輩……!」
伸ばされた手にすがりつくようにして三郎が問うと、沙衣は彼が欲しい言葉を、望む言葉を囁く。それは己自身も求めるもの。
「そうよ。あんなのがいなくなってしまえばいつも通りの学園が戻って来るの。三郎。あの幻術師から皆を守ろうね」
沙衣はするりと雷蔵の顔の三郎の頬を撫ぜ、頭を撫でる。忘れられてささくれだった三郎の心にしみわたるそれに、彼はぎゅうっとしがみつく。そんな三郎の背を沙衣は優しく撫でてやる。
「三郎。早く私たちの学園を取り戻しましょう。ここは私たちにとってとても神聖な場所。まだ人であることを許される場所。大事な大事な箱庭」
あんな阿婆擦れ、ここには要らないんだから。
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cookieさんと合同で「めろんしろっぷ。+ツキトリム」で参加中。
参加予定。
09/16 COMIC CITY 福岡30:M48b
10/21 十忍十色 筑前の段 其の六:H5,6
発行物。
かんたんなはなし(タカ綾)
この好きは『好き』でいいのでしょうか?(次浦+綾)
私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
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いお
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性別:
女性
誕生日:
1987/03/19
自己紹介:
五年(特にい組)と三年と綾部が好きな一般人←
最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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