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色々ネタ置き場(主にRKRN)。 主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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三話目。
前回から一ヶ月経ってますね…。

どーにか路線の目処が立ったので…。

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三郎ははたりと羽団扇を扇ぐ。力さえ込めなければ扇の部分が羽のただの団扇だ。

「木下の旦那も何考えてんだか」

先刻、勘右衛門の師匠である木下鉄丸という鴉天狗から使者が来た。木下は勘右衛門が生まれた時から世話をしている守役でもあり、使者の口上はしばらくの間勘右衛門を留め置くこと。
使者はあからさまに不満げな様子だった。
最初は、勘右衛門に渡した羽団扇を奪って山を離れさせろと言い、今度はそのまま留め置けと言う。

「……風魔一族でも出張ってきたか?」

勘右衛門たち白鴉一族と因縁がある一族の名をぽつりと呟いた。三郎の眉間に皺が寄り何やら思案気に口元に拳を当てた。それを周りが見たのならば珍しい、と声が上がるだろう。ふと三郎を呼ぶ声が聞こえ、彼は顔を上げた。声の主はこの鉢屋稲荷の宮司の息子だ。宮司の見習いとして最近色々と庶務をこなしている。
社の屋根に登っていた三郎は自分を呼ぶ少年に返事を返す。

「雷蔵。私はここだ」
ちょうど真下に居たらしく、三郎と同じ容姿の少年が「三郎~!」と何やら怒気を滲ませて呼ぶ。

はて?と三郎は首を傾げた。本日は彼を怒らせるようなことはしていないはず。

無視をしても良いが、事態が酷くなるので三郎は素直に降りる。雷蔵はがっしと穏やかな雰囲気に似合わない怪力で以て三郎の腕を掴んだ。

「らいぞーさん…?」
にこにこと笑顔を浮かべる雷蔵に三郎は背筋を凍らせる。彼の笑顔は周りを穏やかにするものが多いのだが、たまにこんな風に周りを恐怖に凍てつかせる笑みの時がある。つまり、怒髪天を突いているのだ。

「三郎?」
静かに紡がれる声は非常に冷たい。
「君、勘ちゃんの羽団扇を取ったんだって?」

三郎は目をぱちくりと瞬かせた。

何で雷蔵が勘右衛門を知っている?

その一瞬に三郎が持っている羽団扇を目敏く発見した雷蔵は、庭を掃いていた竹箒の柄で強かに三郎の頭を叩くと、三郎から羽団扇を取り、正座をさせ、長々と説教を始めた。


勘右衛門と兵助はいくら待っても雷蔵が三郎を連れてくる気配がないので、社の方へと歩を進めた。そちらの方へ雷蔵が向かったから、という理由だ。

すると雷蔵の声が聞こえてきたので、勘右衛門が「雷ちゃんはちやい…」た?と声をかける寸前に兵助が勘右衛門の目と耳を塞いだ。

「へーちゃん?」
「………………」

ごっ、と雷蔵が持つ竹箒の柄が三郎の額を打って三郎が倒れるのとほぼ同時だった。


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