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色々ネタ置き場(主にRKRN)。 主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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私にとって藤内は光。
幸せになってほしいと、ずっと願ってる。

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私は彼女が幸せであるよう希う
(私が彼を嫌いな理由。・ハッピーエンドをつかみとれ!の改稿版再録)
次浦+綾
転生現パロ 一部女体化(主に右側)
80P 800円

内容的に上下っぽかった私が彼を嫌いな理由。ハッピーエンドをつかみとれ!です。
加筆修正しているので前より読みやすく…なってると思います。

+サンプル(私が彼を嫌いな理由)+

「で、結局どうなったの」
「とりあえずは本日中に用具委員会と環境委員会で穴と芝生の修繕は終わっているのでそれでおしまいです。誰かの悪戯ではあるでしょうが……本当に先輩じゃないんですよね?」
 疑わしそうに喜八瑠を見るのは、彼女なら本当に一晩であれだけの穴くらい掘れると思っているからだ。勿論、掘ったのは喜八瑠である。完徹したので非常に眠い。もしかすると授業中、次屋三之助抹殺計画を立ている間に居眠りをしていたのではないだろうか。そう思うくらい眠い。
「私だったらどうするの? 藤内」
「別にどうもしませんよ。ただ、先輩は忍の性が強いんですね、とお答えしておきます。今の時代、『昔』みたいな所業を演じられるのは多分そんなにいないと思います。出来そうな方の心当たりは存分にあるんですけれど」
 そう話しながら藤内は緑茶を淹れて喜八瑠に渡した。藤内も湯呑を取ると向かいのソファに腰をおろし、湯呑を受け取り目元を和ませた喜八瑠を見て口元を綻ばせた。湯呑を受け取った喜八瑠はほわり、と香る緑茶独特の香りにほう、と息をついた。
「相変わらず、お茶を淹れるの上手いね。藤内」
「そうですか? でも残念ながら『昔』と違って料理はサッパリですよ。母の手伝いはしますがお皿を出すとか、そんなとこですし……先輩?」
 眉根を寄せ、険しい表情をした喜八瑠を訝しげに藤内は呼んだ。自分はまた何か失言でもしたのだろうか、と藤内は思うが、喜八瑠は湯呑の中をじっと見つめるだけだ。

「ねえ、藤内」

 探るようにゆっくりと、けれど少し寂しそうに、声は響く。

「藤内。君はやっぱり次屋三之助を選ぶの?」

 きょとんとして藤内は喜八瑠を見た。何がどうなってそんなセリフが出てくるのか。藤内は頭の中でどこかそんな要素はあっただろうかとぐるぐる考えるが、答えはNOである。

「喜八瑠先輩?」

「私ね、いっぱい考えたんだ。藤内と次屋が入学してからずっと。私があの時反対していたらあんな事にはならなかったんじゃないか、って。反対していたら、きっと藤内は悲しんだとしてもあんな風にならずに済んだし、ずっと笑っていたと思うんだよ」
 湯呑を覗き込んだまま、とつとつと喜八瑠は言葉を紡ぐ。俯いた表情は藤内からは全く見えない。ただ、声は泣きそうなほどに震えている。
「過去はね、もう、変えられない。それは私も分かる。だって、変えられるんなら、私にこの記憶はないんだもん。覚えているのも知っているのも、私と……」
 一度言葉を切って、喜八瑠は緩やかに首を振った。
「あれを隠蔽する為に私は学園長に報告したし、先生方もご存じだった。それをあの方たちが覚えているのであったら、きっと、藤内を次屋に近づけないよ。そして私も次屋に近寄れない。同じ轍をこの時代で踏むことはないだろうけれど、用心はされるはずだもの。記憶のフラッシュバックほど恐ろしいものはないと、あの方たちは知ってるはずだから」

 藤内も、覚えてないんだよね。
 だから、あれの傍にいるのでしょう?

 視線を上げた喜八瑠はひたり、と藤内を見据える。瞳は泣きそうに潤み、きゅっと引き結ばれた唇は震えている。

「喜八瑠」

 凛、と声が響く。
 さらりと漆黒の髪をなびかせて、帰ったはずの高等部風紀委員長が姿を現した。

「何か嫌な予感がしたと思えば。喜八瑠、あなたは何を藤内に言おうとしたの」
 きっと眦を吊り上げて仙子は喜八瑠を詰問する。
 自分たちは『昔』を覚えてる。だけれど、掘り起こしてはいけないこともあるのだ。それを掘り起こしたために、自我を崩壊させた人間もいる。今、この二つ年下の後輩は何を掘り起こさせようとしたのか。

「何も。ただ、覚えていないことを確認したかっただけです。覚えていないのなら、いいのです。だってあんな思い、もう二度とさせたくないもの」

 喜八瑠は立ち上がると鞄を取り、するりと仙子のわきを抜けて風紀委員会室を出た。藤内が覚えていないことにほっとして、涙が一筋頬を伝った。


+サンプル(ハッピーエンドをつかみとれ!)+
「――――――と、言うわけで。毎度のことながらの学園長の思いつきによる傍迷惑な企画よ」
 中等部一年生は知らない子も多いでしょうけれど、と風紀委員会委員長の高等部三年一組・立花仙子はロの字にしてある長机の上座に顧問で中等部一年二組担任の斜堂陰麿と共に座って緊急招集の内容を告げる。切れ長の黒目がちな瞳は明らかに面倒の二文字しか書かれていない。

「はーい。質問です」
 下座の方の中等部の生徒が手を上げる。前髪をカラフルなヘアピンで留めまくった少年だ。
「何? 兵太夫」
 仙子が促すとパイプ椅子を引いて中等部一年三組の笹山兵太夫は口を開く。
「劇の演目って決まってるんですか? もしかしてそこから決めるとか?」
 演目を決めるのは意外と骨だ。周りから嫌そうな声が漏れ、面倒くさいとそれぞれの顔に文字がでかでかと書かれていく。そんな中、喜八瑠は両肘をついて頬杖をつきながら、ぽつんと空いた空席をぼーっと見つめていた。中等部三年三組の席は空席のままだ。

「演目は決まってるわ。さっきの委員長呼び出しはその告知と、演目決めのクジの為。うちの学園は演劇部の台本が図書館の一角を占めてしまうくらいに大量だから、棚番とか、何段目だとか、何冊目、とかそんな番号が入ったクジを引いたのよ」
「じゃあ演目は?」
 兵太夫が重ねて問うと、仙子は机の上の一冊の綴じ本を掲げた。
「〝藤の鬼〟というタイトルで…全員集まるまでぱらぱらと読んでみたけど、どうやら許嫁を殺された男が鬼になり、その許嫁の兄が男を見つけ出して殺す話、かしら。結構暗いわよ」
「結構暗い、どころかとてつもなく重そうな話ですね」
 高等部二年一組から声が上がる。ふわふわとした黒髪を揺らして少年は「泥沼っぽい」と呟いた。
「泥沼…まあ、泥沼になるのかしら? で、今回の緊急委員会では劇の配役を決めるのと、大道具小道具音響語り、とか諸々の事を決めるわよ」
「あ、はい! 立花先輩」
 中等部一年一組から少女の声と共に手が上がる。
「はい、奈々」
 黒門奈々は立ち上がると仙子に問う。
「他の委員会の演目内容も気になるので聞きたいんですけどっ」
 あ、気になる気になる。と他にも声が上がる。
「えぇと、ちょっと待って。会計が〝花見坂の仕立屋〟、環境が〝二人の歌姫〟、体育が無難に〝美女と野獣〟、保健が〝赤い星屑〟、用具がこれまた無難に〝三匹の子ブタ〟、生物が〝ココロ〟、図書が〝鉢かつぎ姫〟こちらもまあ無難ね」
「あれ? 生徒会執行部は…」
「進行役。及び他委員会の補助ね。音響照明とか手伝ってくれるわ。他に質問が無ければ、今から台本のコピーを配るから内容を読んで配役を決めましょう。自薦他薦は問わないから」
 左上だけをホッチキスで留めた台本が席の末尾まで配られる。しばらくは紙を捲る音と外の雨音だけが風紀委員会室の中を支配する。

■□■

「え? 緊急委員会?」
 お昼を過ぎて、さらに五限目も残り数分という所で藤内、数は中等部三年三組の教室に戻った。そうして、何人か姿が見当たらない。しかも黒板にはでかでかと自習の二文字。確か今は土井半助教諭による国語の授業だったはず。
「そう。土井先生は環境委員会の顧問だから私たち自習なんだ。藤内も数も高等部の委員会室に行った方が良いよー?」
 クラスメイトの一人が言うと、割と仲が良い女子生徒たちが席を立って藤内と数の傍に集まる。
「内容は知らないけど学園長の思い付きみたい」
「あ、午前中の授業のノート、後で見せてあげるから」
 安心してー。と一人からは笑顔を向けられ、一人からは藤内の顔色を見ながら心配そうに声をかけられる。
「それにしても藤内大丈夫? 隣に二組の次屋いないけど平気?」
「でもさすがに委員会に次屋連れてけないでしょ。委員会には綾部先輩居るし」
「あー…無理だね…」
 そう突っ込まれたクラスメイトは口元を引き攣らせながら同意する。すると一人がうーむ、と唸った。
「何で綾部先輩、次屋嫌うかな? 馬鹿でアホで迷子でも顔はそれなりに良いし藤内大好きだし何気に気が付くし、優良物件だとは思うんだけどなー?」
「いっそ綾部先輩が男の人だったらよかったのにー」
 と、一人が言うと、もう一人がうんうんと頷いた。
「まぁるく収まるよねー。綾部先輩ぜぇったいカッコいい!! 今でも超美人だし! 綾部先輩なんで男子じゃなかったの!!?」
「いやいや、仮に男子だったとしてもアンタには眼中ないってー」
 と話題が脇に逸れに逸れまくり……藤内と数は苦笑しながらお礼を言い、二組から見当違いの方向に出ようとする三之助を引っ張って高等部校舎へと向かった。

■□■

 三之助を体育委員会室に送り届け、数は藤内を連れて風紀委員会室へ。少々顔色が悪いながらも、処方された薬が効いているのか今朝のような状態ではない。普通に歩いて喋って笑えているのだから上々だ。

「劇、って言ってたよね」
 数がぽつりと呟く。送り届けた先の体育委員会室で、委員長である高等部三年二組の七松小平太が「劇だ! 〝美女と野獣〟をするぞ!!」と三之助を引っ張りこんだのだ。ぽかんとしている二人に高等部一年一組の平滝姫が丁寧かつ簡単に説明をしてくれたのだ。
「言ってたね…委員会対抗演劇合戦……」
「うち…何かな…」
 数はどこか遠くを見つめながら乾いた笑いをもらす。
「……クジ引き、って言ってたもんね。善法寺先輩だし…」
「……変なのに当たってなければいいけど……」

―――そうして風紀委員会室のある三階に差し掛かった頃、怒声が聞こえた。

「「!!?」」
 びくりと二人は肩を揺らして顔を見合わせる。
「き、喜八瑠先輩…?」

 藤内は呟き、数と二人何が起こったのかと慌てて風紀委員会室に飛び込んだ。

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私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
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最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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