色々ネタ置き場(主にRKRN)。
主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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「あー、もうすぐ学園だわねーさぶろーや」
「そうっすねー、沙衣先輩」
真っ直ぐな焦げ茶の髪を揺らしながら、くノたま六年の霧壺沙衣は軽くステップをつけながら歩く。その隣を五年ろ組の鉢屋三郎が、いつものように同じ組の不破雷蔵の顔で歩いている。
二人は学園長のお使いの帰りで、数日学園を空けていた。沙衣の右手には風呂敷包み。友人や後輩へのお土産が入っている。
「皆喜んでくれるかな~」
「そーですねー。先輩が笑顔で凄めば皆笑顔で喜んでくれますよ」
「む。三郎よ。そんなこと言うとその顔剥いで素顔を公衆に晒してやる」
「やれるもんならやってみてください」
「ふふーん。私の実技の成績はくノたま一よ?」
「知ってます。だから三十六計逃げるに如かず」
だっ、と走り出した三郎に沙衣は呆気にとられたように背中を見送る…わけもなく。待ちやがれー! と追い駆けた。
「おかえりなさーい! 沙衣ちゃん、三郎君! 入門表にサインしてね!!」
「はーい。ただいまー小松田さーん。あ、これお土産ー食べちゃって」
「えぇ!? 良いの?? ありがとー沙衣ちゃん!」
さらさらと入門表にサインをしながら沙衣は干菓子の詰まった小袋を小松田に渡す。小松田は嬉しそうに顔を綻ばして礼を言うと、沙衣も嬉しそうに笑った。
「あ、そうだ。二人とも知ってるー?」
「何をですか、小松田さん」
「何か変な事でも?」
二人がきょとりと瞳を瞬かせて小松田を見る。
「二人が出かけてちょっとして、変な着物を着た女の惨殺死体が現れたんだよ~! 場所が裏山辺りでね、先生方がしばらく警戒してたんだけど、その女の死体以外は不審な物もなーんにも出てこなかったから警戒は解いてあるんだけど、何か怖いよねえ」
もう、酷い怨みを買ってたんだろうね、殺され方がもう、酷かったらしいよ~~~!!
怖いよね! と小松田が力説しているが、沙衣と三郎は動じた様子はなく、逆に薄い笑みが浮かんでいる。
「えぇ、怖いですねぇ、小松田さん。人の怨みは買うものじゃないですよ」
「と、言っても俺たちは怨みを買うしかないんですけど」
「月のない夜は気をつけな、ってね~」
「もう二人とも~!!」
むくれる小松田にくすくすと鈴を転がす様に沙衣が笑い、三郎は苦笑する。
「さてと、沙衣先輩。学園長の所へ行きましょうか」
「そうねー。じゃ、小松田さんもお仕事がんばって」
ひらりと手を振り二人は学園長の庵へと歩き出す。
「私たちの前に現れたのが、運の尽き、よねぇ…さぶろ?」
桜色の唇は艶やかに笑みを形作る。沙衣はちらりと上目遣いに三郎を見上げる。
「ええ。まさか、時間が巻き戻っているとは思いませんでしたが」
お陰で同じ任務を二度しなければなりませんでしたし。
同じように笑みを浮かべ、沙衣を見下ろす三郎は楽しそうに目を細めた。
「私たちを弄すればどうにでもなると思った誰かさんは」
「さぞや吃驚なされた事でしょう。巻き戻る前の記憶を持っていた事に」
くすくすと愉しげに二人は笑う。
始まりは始まることなく終わりの幕が引かれ、いつもの平穏な日常が何事もなくゆっくりと過ぎて行くのである。
「そうっすねー、沙衣先輩」
真っ直ぐな焦げ茶の髪を揺らしながら、くノたま六年の霧壺沙衣は軽くステップをつけながら歩く。その隣を五年ろ組の鉢屋三郎が、いつものように同じ組の不破雷蔵の顔で歩いている。
二人は学園長のお使いの帰りで、数日学園を空けていた。沙衣の右手には風呂敷包み。友人や後輩へのお土産が入っている。
「皆喜んでくれるかな~」
「そーですねー。先輩が笑顔で凄めば皆笑顔で喜んでくれますよ」
「む。三郎よ。そんなこと言うとその顔剥いで素顔を公衆に晒してやる」
「やれるもんならやってみてください」
「ふふーん。私の実技の成績はくノたま一よ?」
「知ってます。だから三十六計逃げるに如かず」
だっ、と走り出した三郎に沙衣は呆気にとられたように背中を見送る…わけもなく。待ちやがれー! と追い駆けた。
「おかえりなさーい! 沙衣ちゃん、三郎君! 入門表にサインしてね!!」
「はーい。ただいまー小松田さーん。あ、これお土産ー食べちゃって」
「えぇ!? 良いの?? ありがとー沙衣ちゃん!」
さらさらと入門表にサインをしながら沙衣は干菓子の詰まった小袋を小松田に渡す。小松田は嬉しそうに顔を綻ばして礼を言うと、沙衣も嬉しそうに笑った。
「あ、そうだ。二人とも知ってるー?」
「何をですか、小松田さん」
「何か変な事でも?」
二人がきょとりと瞳を瞬かせて小松田を見る。
「二人が出かけてちょっとして、変な着物を着た女の惨殺死体が現れたんだよ~! 場所が裏山辺りでね、先生方がしばらく警戒してたんだけど、その女の死体以外は不審な物もなーんにも出てこなかったから警戒は解いてあるんだけど、何か怖いよねえ」
もう、酷い怨みを買ってたんだろうね、殺され方がもう、酷かったらしいよ~~~!!
怖いよね! と小松田が力説しているが、沙衣と三郎は動じた様子はなく、逆に薄い笑みが浮かんでいる。
「えぇ、怖いですねぇ、小松田さん。人の怨みは買うものじゃないですよ」
「と、言っても俺たちは怨みを買うしかないんですけど」
「月のない夜は気をつけな、ってね~」
「もう二人とも~!!」
むくれる小松田にくすくすと鈴を転がす様に沙衣が笑い、三郎は苦笑する。
「さてと、沙衣先輩。学園長の所へ行きましょうか」
「そうねー。じゃ、小松田さんもお仕事がんばって」
ひらりと手を振り二人は学園長の庵へと歩き出す。
「私たちの前に現れたのが、運の尽き、よねぇ…さぶろ?」
桜色の唇は艶やかに笑みを形作る。沙衣はちらりと上目遣いに三郎を見上げる。
「ええ。まさか、時間が巻き戻っているとは思いませんでしたが」
お陰で同じ任務を二度しなければなりませんでしたし。
同じように笑みを浮かべ、沙衣を見下ろす三郎は楽しそうに目を細めた。
「私たちを弄すればどうにでもなると思った誰かさんは」
「さぞや吃驚なされた事でしょう。巻き戻る前の記憶を持っていた事に」
くすくすと愉しげに二人は笑う。
始まりは始まることなく終わりの幕が引かれ、いつもの平穏な日常が何事もなくゆっくりと過ぎて行くのである。
始まりの終わり
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「ツキトリム」
cookieさんと合同で「めろんしろっぷ。+ツキトリム」で参加中。
参加予定。
09/16 COMIC CITY 福岡30:M48b
10/21 十忍十色 筑前の段 其の六:H5,6
発行物。
かんたんなはなし(タカ綾)
この好きは『好き』でいいのでしょうか?(次浦+綾)
私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
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いお
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38
性別:
女性
誕生日:
1987/03/19
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五年(特にい組)と三年と綾部が好きな一般人←
最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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