色々ネタ置き場(主にRKRN)。
主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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書棚に本を戻していると、不意にふわりと香る匂いにちらりと視線を向けた。案の定、隣にはその香りの主である、相尾正雪がにこりと微笑んで立っていた。
「こんにちは。雷蔵」
「こんにちは。正雪。何か探し物?」
「えぇ、これなのですけど」
書籍名を並べた料紙を雷蔵に渡すと、ちょっと待ってて、と彼は本を棚に戻し他の書棚の方へと向かう。
「はい。もう一冊は貸出中だね。いつ帰ってくるか調べようか」
「お願いします」
多分、あの人とは思うんですけど。と正雪は心でごちると、雷蔵の後を付いていく。
「……えーと、正雪…」
「あぁ、やはりですね」
困ったように眉を寄せて正雪は笑う。雷蔵も困った表情だ。
「……言ってもらっていいかな?」
にこり、と雷蔵が笑むと、正雪はきょとと目を瞬かせる。
「おやまあ、雷蔵。私にその笑顔を向けても仕様がないでしょうに」
「そうだね……中在家先輩が滞納分回収に行ってたはずなんだけど……」
取り忘れかなぁ、と雷蔵は首をかしげる。
「折良くお留守だったのでしょう。本日はいらっしゃるはずですから……持ってきましょう。少々お待ちいただけますか?」
半時せずに正雪が戻ってくる。
「頂いてまいりましたので、こちらの返却手続と貸出手続をお願いします。あ、あと詫状と念書です。でも然して効き目もなさそうですけどあるだけマシでしょう」
「……正雪、これ血文字じゃない? 念書」
黒味を帯びた赤い字が料紙に書きつけてある。
「念には念を入れて、です。それにしても、先輩にこんこんと念を押していましたら団蔵に『うちの父ちゃんと母ちゃんみたい』と言われたのですけれど……」
困ったように微笑む正雪に、雷蔵は迷うことなく即答する。
「姫と鬼の組み合わせじゃないの。どっちかっていうと。まあでも夫婦に見えなくもないよねー」
「私が女顔なのは認めますけれど、そんなこというと潮江先輩に御迷惑でしょう」
「いやー、正雪となら満更でもないと思うよ。僕。僕だって満更ではないもの」
正雪みたいなお嫁さん欲しいもん。雷蔵は小さな声でけらけら笑う。こてり、と正雪は首を傾げる。
「そうでしょうか?」
「でも正雪はしっかり者だから甘やかせてくれる人が良いよね。八ちゃんとか甘やかせてくれそうだよねー。潮江先輩とか六年生辺りは可愛がってくれそう。三郎は逆に甘えたすぎるし」
ちなみに挙げられた人間が全て男であるのは二人とも気にしない。ここで言う女性は将来くノ一となるくノたまくらいしかおらず、そのくノたまにとことん悪戯という名の苛めにあった正雪にしてみると苦手な存在である。もちろん、たまに良くしてもらったりもしたのだけれど。
「あと二人はもう論外だよね。子どもだよね。いい加減正雪離れしないの?」
「……そう言うと、二人とも泣くので……」
雷蔵の言葉に正雪がすっと視線を逸らし呟くと、彼は正雪の肩をがしっと掴んで視線を合わせる。
「ダメだよ、正雪。躾はちゃんとしないと。後々二人がダメになっちゃうよ?」
うぅ、と正雪が唸る。
「それは分かっているのですけれど……私もついつい甘やかしてしまって…」
「しばらく正雪断ちでもさせようか」
「雷蔵…しころなど全部奪って鎖で雁字搦めに縛っといてくださいね」
「うん良いよー」
「こんにちは。雷蔵」
「こんにちは。正雪。何か探し物?」
「えぇ、これなのですけど」
書籍名を並べた料紙を雷蔵に渡すと、ちょっと待ってて、と彼は本を棚に戻し他の書棚の方へと向かう。
「はい。もう一冊は貸出中だね。いつ帰ってくるか調べようか」
「お願いします」
多分、あの人とは思うんですけど。と正雪は心でごちると、雷蔵の後を付いていく。
「……えーと、正雪…」
「あぁ、やはりですね」
困ったように眉を寄せて正雪は笑う。雷蔵も困った表情だ。
「……言ってもらっていいかな?」
にこり、と雷蔵が笑むと、正雪はきょとと目を瞬かせる。
「おやまあ、雷蔵。私にその笑顔を向けても仕様がないでしょうに」
「そうだね……中在家先輩が滞納分回収に行ってたはずなんだけど……」
取り忘れかなぁ、と雷蔵は首をかしげる。
「折良くお留守だったのでしょう。本日はいらっしゃるはずですから……持ってきましょう。少々お待ちいただけますか?」
半時せずに正雪が戻ってくる。
「頂いてまいりましたので、こちらの返却手続と貸出手続をお願いします。あ、あと詫状と念書です。でも然して効き目もなさそうですけどあるだけマシでしょう」
「……正雪、これ血文字じゃない? 念書」
黒味を帯びた赤い字が料紙に書きつけてある。
「念には念を入れて、です。それにしても、先輩にこんこんと念を押していましたら団蔵に『うちの父ちゃんと母ちゃんみたい』と言われたのですけれど……」
困ったように微笑む正雪に、雷蔵は迷うことなく即答する。
「姫と鬼の組み合わせじゃないの。どっちかっていうと。まあでも夫婦に見えなくもないよねー」
「私が女顔なのは認めますけれど、そんなこというと潮江先輩に御迷惑でしょう」
「いやー、正雪となら満更でもないと思うよ。僕。僕だって満更ではないもの」
正雪みたいなお嫁さん欲しいもん。雷蔵は小さな声でけらけら笑う。こてり、と正雪は首を傾げる。
「そうでしょうか?」
「でも正雪はしっかり者だから甘やかせてくれる人が良いよね。八ちゃんとか甘やかせてくれそうだよねー。潮江先輩とか六年生辺りは可愛がってくれそう。三郎は逆に甘えたすぎるし」
ちなみに挙げられた人間が全て男であるのは二人とも気にしない。ここで言う女性は将来くノ一となるくノたまくらいしかおらず、そのくノたまにとことん悪戯という名の苛めにあった正雪にしてみると苦手な存在である。もちろん、たまに良くしてもらったりもしたのだけれど。
「あと二人はもう論外だよね。子どもだよね。いい加減正雪離れしないの?」
「……そう言うと、二人とも泣くので……」
雷蔵の言葉に正雪がすっと視線を逸らし呟くと、彼は正雪の肩をがしっと掴んで視線を合わせる。
「ダメだよ、正雪。躾はちゃんとしないと。後々二人がダメになっちゃうよ?」
うぅ、と正雪が唸る。
「それは分かっているのですけれど……私もついつい甘やかしてしまって…」
「しばらく正雪断ちでもさせようか」
「雷蔵…しころなど全部奪って鎖で雁字搦めに縛っといてくださいね」
「うん良いよー」
「雷蔵様が…っていうか正雪様まで降臨している……」
「八左ヱ門。俺たちは何も見なかった。そうだな」
「……ああ。二人には可哀想な事だと思うが……俺たちの安寧の為にも二人には人柱に……っ」
「つーか、雷蔵は正雪の顔が好みだったのか……じゃあこの顔で」
「きっと雷蔵とい組二人に殺されると思うぞ俺。ついでに顔って言うか性格だろ性格。お前と正反対」
「……」PR
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海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
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最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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