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色々ネタ置き場(主にRKRN)。 主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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成長次浦。

とかいいながら、書きたい場面だけ。

そして三之助と藤内の絡みはない。

兵太夫と藤内。
喜八郎と三之助。
数馬と三之助。
喜八郎と藤内。

拍手[1回]


次浦。
成長。
三年→五年。
一年→三年。
四年→六年。

いつも装束の色を何色で表現しようか迷うわー。


+++

 ビンッ、と引っ張られる感触と共に体が宙に浮かんだ。

「……」

「……あれ? 浦風先輩、珍しいですね」
「お前も、珍しく他愛ない罠だな」

 ぶらーんと逆さ吊りの藤内は逆さまに見える兵太夫をじとりと睨みつけた。二年前自分たちの色であった萌黄色の装束をまとっている後輩は心から不思議そうに首をかしげた。

「浦風先輩だったらこのような罠お気づきでしょうに」
「嫌味か、兵太夫。考え事をしていて上の空だったんだ」
「考え事? 昨日のことですか?」
「……」

 ざり、と艶やかな黒髪が地面をこすった。


+++


 ひゅん、と踏み鋤が空を切る。それを操っているのは千歳緑の衣をまとう色素の薄いふわふわと波打つ髪を持つ眉目秀麗な少年。

「……避けないでよ」
「避けますよ。先輩目ェ本気だし」

 前髪だけ色が違うひょろりと背丈が高い桔梗色の衣の少年が飄々と次々繰り出される踏み鋤の攻撃を避けていく。
 
「私はいつでも本気なんだ」
 猫に似た瞳がいつもよりも大きく見開かれる。少年が後ろに大きく一飛びしたからだ。
「俺も本気で避けてますんで」
 口の端を上げてどこか爽やかそうに笑うと、千歳緑の少年が苦々しげに顔を顰めた。
「そこのさー、としのすけ君83号にかかってくれないかなー。スパイク埋め込みまくって剣山っぽいんだ」
 とん、と桔梗色の少年が避けた場所を踏み鋤で突く。ぼこっと音を立ててぽっかりと穴が開くと、暗い穴の奥に鋭く尖った竹槍がみっちりと埋まっている。
「嫌ですよ。死ぬじゃないですか」
「死んで欲しいんだって」
 桔梗色の少年の言葉に千歳緑の少年は事も無げにそう答えた。
「藤内が泣くから嫌ですよ」
「私も藤内が泣くのは嫌だけど、君が死んだらしっかりバッチリ私が埋め合わせしてあげる」
 だから落ちろ、と千歳緑の少年はだんっと一歩踏み出した。


+++

 不運委員会改め保健委員会委員長代理は深々とため息をついた。
 今現在、医務室の主と言われる生徒は彼で相違ない。

 目の前にいる自分と同じ桔梗色の装束の少年の手当てをしながら、諦め半分呆れ半分で問いかける。

「で? 今度は一体何をしたのさ」
「んー? 別に怒らせるようなことは言ってねぇんだけどなあ」
「三之助の場合、綾部先輩を怒らせるのは息をするのと同じくらい楽にできると思うんだよね。僕」
「酷いな数馬。俺はこれでも綾部先輩と仲良くしたいと思ってるんだぞ」
 こてりと首を傾げ三之助が言うと、「お前がやっても可愛くない」と数馬は一刀両断する。
「酷い数馬…っ!」
 よよよ、と泣き崩れる真似をする三之助の頭を近くにあった木箱のふたで強かに殴る。
「安心して。作ちゃんがやろうが左門がやろうが孫兵がやろうが可愛くないから」
 自分の恋人である作兵衛までも却下する数馬。
「藤内は?」
「愚問だね当然可愛いに決まってるじゃないか」
 酷く真面目な顔で数馬は即答する。三之助もその意見には同意しか出ない。
「ですよねー。まあ藤内が可愛いのは今に始まったことじゃないし」
「本当に、綾部先輩じゃないけど藤内何でこんなのに引っ掛かったんだろう。藤内ならもっと引く手数多だろうし」
 ふう、とため息をついてじとりと目の前の男を見る。(今は少々改善されたが)無自覚迷子で体力バカ。頭は中の下で野生の勘と日頃から鍛えられた体で持って実習だけは成績は上。上背は学年の中でも高い方で、普通よりやや小さめの背丈の数馬と並んでもその差は歴然だ。おかげで、女装などは全く出来ない。顔は化粧すればそれなりに映えると言うのに、その上背ですべてがおじゃんである。
 対する藤内は作法委員なだけあって女装はぴか一。成績もは組であれど上位に食い込む。実習も予習や事前調査などの情報をしっかりと集め、脳内でシミュレーションして上々の成績を収める。見た目も十人が十人美人と評価する顔立ちだ。背丈もちょうど良い感じで数馬より若干背が高い程度。男性なら標準よりほんの少し小さい程度で女性でもちょっと上背がある程度としてごまかせる。
「ほら俺カッコいいから」
「寝言は寝て言えよ」
 医務室の中で一番しみる薬をぎゅうううううううっと力を込めてすりこみながら数馬は素晴らしいまでの笑顔で言う。もちろん、三之助は大絶叫だ。


+++

 つーんとそっぽを向いて喜八郎は藤内の言葉に一語一句耳を貸さないつもりだ。藤内は眉尻を下げて困ったように喜八郎を見る。

「僕は悪くないもん。アレが悪いんだもん」
「だもん、って子供みたいに駄々をこねないでください。綾部先輩」
「き・は・ち・ろ・う」
「……駄々をこねないでください。喜八郎先輩」

 そう呼ぶと喜八郎は嬉しそうに口元を綻ばす。…と言っても、はたから見ればさして表情が変わっているようには見えないのだが、付き合いの長い藤内からしてみれば、その些細な表情の変化で彼の機嫌が手に取るように分かる。

「昨日のことは仕方がないでしょう? 学園長先生の思いつきでしたんですし」
「でも、それなら僕を誘ってくれれば良かったのに。そうしたら帰りに約束したお団子屋だとか小間物屋に寄れたじゃない」
「内容が男女に見えるように、とのことでしたので。俺と先輩じゃどう見ても姉妹でしょう」
「僕だってちゃんと男に見えるよ。確かに女装したら藤内とは姉妹で行けるけど、普通の格好してれば僕も十分男だよ。藤内もそうであるように。ふーんそうかいそうかい。藤内は僕よりもアレを取るんだ。いいもんいいもん。僕穴掘ってくる。邪魔しちゃ嫌だよ。今回は邪魔するのが藤内であっても容赦しないんだから。僕の機嫌は最高潮に悪いんだ。絶対邪魔しないでよね。いっぱい穴掘って藤内が怒られちゃえばいいんだ」

「……喜八郎先輩……」

 タンッと戸を引いてどすどすと足音も荒く喜八郎は表へ出ていく。あれは本気で周囲を穴だらけにするつもりだ。


+++


ああ、うん。

オチ?

ないよ尊奈門。じゃなかったそんなもん。

私の中で喜八郎と三之助が和解することなんぞ絶対にないのだろうな。三之助が折れても喜八郎は絶対に妥協しない。絶対に、和気藹々になんかしない。
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