色々ネタ置き場(主にRKRN)。
主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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大川学園中等部に入学してまだ日が浅いくらい。
浦風さんはまだ思い出していません。
次屋くんは思い出してほしくていろいろちょっかいかけてますが、全く効果がありません。ついでに綾部先輩に毎度邪魔されることが多いです。
そんな次屋くんが毎度のことながら迷子になりました。
捜索をしましょう。
浦風さんはまだ思い出していません。
次屋くんは思い出してほしくていろいろちょっかいかけてますが、全く効果がありません。ついでに綾部先輩に毎度邪魔されることが多いです。
そんな次屋くんが毎度のことながら迷子になりました。
捜索をしましょう。
次屋三之助は今日も今日とて浦風藤内に向かって走っていく。無自覚方向音痴を発動しながら。
「……? 藤内、どこいったんだ?」
「むしろあんたがどこ行ってんの、って聞きたいわ。ていうか、何で私があんたの捜索に駆り出されなくちゃいけないの?」
声のする方とは逆に振り返ると、膝裏に蹴りが入り、三之助の膝がカクンと落ちる。
「どこ見てんのよ。あんた方向音痴どころか人としてどっかおかしいんじゃないの?」
体勢を立て直して改めて藤内を振り返ると、心から不機嫌そうな表情で彼女は三之助を見上げている。三之助はちょっと傷ついた。
「藤内…何か昔と比べて酷くない?」
「だっから! 昔って何? それに私、あんたに名前で呼んでいいって言ってない。三反田さんがお願いって言うから探しに来てるだけで! 富松君もあんたともう一人いるから可哀想だし。あの二人の頼みじゃなきゃあんたと関わることすらする気ないのに」
「藤内、俺のこと嫌い?」
「初対面であんなのされたら誰だって第一印象最悪でしょうが。喜八瑠先輩にもあんたに近づくなって言われてるし」
「……っち。綾部先輩め……」
「ほら。戻るわよ」
ちょっと屈んで目つぶりなさい。と言われて三之助は素直に屈んで目を閉じた。ちょっと淡い期待がないでもない。藤内が後ろに回ってごそごそと何かをしている。首元に何かひんやり異物感。
「よし。目を開けていいわよ」
目を開けると、藤内の手には犬の散歩に使われるリードが握られている。三之助は藤内の手元から延びるリードをゆっくりと追った。視線の行く先は自分自身。しかも首元。彼はそっと首を撫でた。肌ではない感触。金属と、何か。
「……とうない…さん?」
「喜八瑠先輩が今度迷ったらこれで繋いで曳けって。まあ私も恥ずかしいけど、あんたが再び迷わないためにもこうするしかないかって」
にっこりと笑顔の藤内に、三之助の背筋に冷たい汗が流れる。この笑顔は『昔』よく見た。藤内は大声で怒ることはあまりない。静かに静かに怒りを見せるタイプだ。まさに“作法委員”の名に相応しい怒り方。
「……怒って、いらっしゃいます?」
「ん? それ以外の解釈をしろと?」
ぐいっとリードを曳かれて三之助はつんのめる。にこにこ笑顔の浦風藤内さんは目だけを据わらせて一言。
「S法委員なんでしょ? これくらい、優しいものじゃない」
「! 昔の記憶…!」
「は? 周りが風紀委員はS法委員会って言ってるんだから、このくらいしても罰は当たらないって喜八瑠先輩と立花先輩が」
高等部一年にしてすでに学園の女王様として君臨している立花仙子と中等部二年の不思議ちゃん・綾部喜八瑠の名を出され、本能的に逆らえないと感じるのはやはり『昔』の記憶を持つが故だろうか。そうでなくとも彼女らに逆らうことはできないだろう。もちろん、『昔』長ずるにつれて『彼ら』の資質を受け継いだ『彼』にもあの時代の生徒は逆らえなかったものだ。『彼ら』より物腰穏やかであったのに。多分『現在(いま)』目の前にいる彼女も無意識ながらに『昔』の自分をなぞっているのだろう。
「富松君も三反田さんも探してるんだから早く!」
「……はい」
懐かしさを覚えながらも、こんな懐かしさは嫌だと思う自分がいるのを強く自覚しながら、リードを曳かれるままに彼は歩きだしたのであった。
「……? 藤内、どこいったんだ?」
「むしろあんたがどこ行ってんの、って聞きたいわ。ていうか、何で私があんたの捜索に駆り出されなくちゃいけないの?」
声のする方とは逆に振り返ると、膝裏に蹴りが入り、三之助の膝がカクンと落ちる。
「どこ見てんのよ。あんた方向音痴どころか人としてどっかおかしいんじゃないの?」
体勢を立て直して改めて藤内を振り返ると、心から不機嫌そうな表情で彼女は三之助を見上げている。三之助はちょっと傷ついた。
「藤内…何か昔と比べて酷くない?」
「だっから! 昔って何? それに私、あんたに名前で呼んでいいって言ってない。三反田さんがお願いって言うから探しに来てるだけで! 富松君もあんたともう一人いるから可哀想だし。あの二人の頼みじゃなきゃあんたと関わることすらする気ないのに」
「藤内、俺のこと嫌い?」
「初対面であんなのされたら誰だって第一印象最悪でしょうが。喜八瑠先輩にもあんたに近づくなって言われてるし」
「……っち。綾部先輩め……」
「ほら。戻るわよ」
ちょっと屈んで目つぶりなさい。と言われて三之助は素直に屈んで目を閉じた。ちょっと淡い期待がないでもない。藤内が後ろに回ってごそごそと何かをしている。首元に何かひんやり異物感。
「よし。目を開けていいわよ」
目を開けると、藤内の手には犬の散歩に使われるリードが握られている。三之助は藤内の手元から延びるリードをゆっくりと追った。視線の行く先は自分自身。しかも首元。彼はそっと首を撫でた。肌ではない感触。金属と、何か。
「……とうない…さん?」
「喜八瑠先輩が今度迷ったらこれで繋いで曳けって。まあ私も恥ずかしいけど、あんたが再び迷わないためにもこうするしかないかって」
にっこりと笑顔の藤内に、三之助の背筋に冷たい汗が流れる。この笑顔は『昔』よく見た。藤内は大声で怒ることはあまりない。静かに静かに怒りを見せるタイプだ。まさに“作法委員”の名に相応しい怒り方。
「……怒って、いらっしゃいます?」
「ん? それ以外の解釈をしろと?」
ぐいっとリードを曳かれて三之助はつんのめる。にこにこ笑顔の浦風藤内さんは目だけを据わらせて一言。
「S法委員なんでしょ? これくらい、優しいものじゃない」
「! 昔の記憶…!」
「は? 周りが風紀委員はS法委員会って言ってるんだから、このくらいしても罰は当たらないって喜八瑠先輩と立花先輩が」
高等部一年にしてすでに学園の女王様として君臨している立花仙子と中等部二年の不思議ちゃん・綾部喜八瑠の名を出され、本能的に逆らえないと感じるのはやはり『昔』の記憶を持つが故だろうか。そうでなくとも彼女らに逆らうことはできないだろう。もちろん、『昔』長ずるにつれて『彼ら』の資質を受け継いだ『彼』にもあの時代の生徒は逆らえなかったものだ。『彼ら』より物腰穏やかであったのに。多分『現在(いま)』目の前にいる彼女も無意識ながらに『昔』の自分をなぞっているのだろう。
「富松君も三反田さんも探してるんだから早く!」
「……はい」
懐かしさを覚えながらも、こんな懐かしさは嫌だと思う自分がいるのを強く自覚しながら、リードを曳かれるままに彼は歩きだしたのであった。
「ちょ、作ちゃん! あれ……!」
「……S法の血でも目覚めた…か?」
周りがどよどよとモーゼの十戒が如く二人の為に道を開ける。
「あ。富松君、三反田さん。コレ見つけたよ」
「…記憶が蘇ったわけでもないんだ。いつになったら名前呼んでくれるかな」
「まあ、気長に待とうぜ。首輪にリードか……まあ、あいつにゃ似合いだけどな」
「犬の如く付きまとってるしね」
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この好きは『好き』でいいのでしょうか?(次浦+綾)
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海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
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いお
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37
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女性
誕生日:
1987/03/19
自己紹介:
五年(特にい組)と三年と綾部が好きな一般人←
最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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