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色々ネタ置き場(主にRKRN)。 主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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其は天女というが、天女とはそう易々と下界に降りぬモノ。
十話目。


左の人差し指を目に当てて下し、唇に触れてバツ印を描く。

くノたまたちは笑う。

あの山にしようか。

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逆ハ主:
北條明日香(ほうじょうあすか)…「平成」から来たという天女と呼ばれる現代人。高校二年生。夢見る思い込みの激しい少女。この世界のヒロインなのだから何やっても良いのだと思っている。常識があるはずなんだけど、ぶっ飛んでる。

傍観主ら。:
柚月汐琉(ゆづきしおる)…くノたま四年。用具委員。天女と只今同室。実際は志帆と同室。天女の要望で天女の傍にいる。実際超嫌。でも周りが可哀想じゃないとかそんなん言って無理矢理そのまま。保健委員の親友を持つ者特有のプチ不運発動。ポルトガルとハーフな金髪緑眼の美少女。でもその容姿にコンプレックス。

五瀬志帆(いつせしほ)…くノたま四年。不運じゃない保健委員。”狂科学者(マッドサイエンティスト)” の異名を持つ。根は優しいのだが、実験となると目の色を変える。
視力は良いが調合中は眼鏡をつける(目の保護のためと思われる)。伊達眼鏡

*川瀬明菜(かわせあきな)…五年は組。体は女だが心は男。物心ついた時から自分は男だと思っている。なので入学の際、学園長に頼み込み忍たまに。実家が薬師を生業としていて、勝手の分かりやすい保健委員に。三郎たちや五のはの生徒たちやくノたま上級生、委員会の生徒は理解してくれているのでそれなりに生活できる。

*森野刃衣(もりのはごろも)…学園の近くに設けてある鍛冶工場の女鍛冶師。学園専属。九州は筑前の国の出。腕は良い。体育委員のランニングについていけるほどの体力がある。一年は組と仲が良い。

霧壺沙衣(きりつぼさい)瀬川美也(せがわみや)秋月皐月(あきづきさつき)綾部弥白(あやべやしろ)
…くノたま六年。帯は黒。四姫、と呼ばれるくノたまたち。六年はこの四人のみ。
四姫と呼ばれる所以はこの四人の連係プレーが素晴らしいくらいハマること。地水火風それぞれの呼称で呼ばれる。火の姫は沙衣。彼女が通った後には何も残らない。水の姫は美也。流れる水の如く怒涛の勢いで攻める。地の姫は皐月。地は智に通じ、策謀を寝るのは彼女の役目。血にも通じるので、実力行使も容易く手にかける。風の姫は弥白。素早く罠を仕掛け敵を嵌める。
弥白だけは礼儀作法組で、弟に四年い組の綾部喜八郎がいる。

七松小雪(ななまつこゆき)十草香波(とくさかなみ)
…くノたま五年。帯は瑠璃。桜橘(おうきつ)と呼ばれるコンビ。
桜橘は左近の桜、右近の橘に由来し、戦場の実習などで四姫の前に露払いをする二人につけられた異名。
左近の桜が香波、右近の橘が小雪。タイプ的に香波が沙衣+弥白÷2で小雪が美也+皐月÷2。周り的には香波は弥白+皐月÷2で小雪が沙衣+美也÷2のイメージらしいが実際は前者。
小雪は兄に六年ろ組七松小平太がいる。

*の人に関してはナルちゃんの所で見てもらうと。。。
 


 その声を聞いてある者は喜色を顕わにし、ある者は恐怖に引きつった。


 音もなく降り立ったのは紅の組紐を付けた黒の帯と瑠璃の帯のくノたまが六人。
 その他数名が、殺せと沸き立っていた生徒たちの前に牽制として立ち塞がる。鼻まで引き上げた覆面に、両手に光る苦無。
 覆面をしていない六名はちらりと取り押さえられた明日香を見、取り押さえている四年のくノたまを見る。

「四姫……」
「桜橘(おうきつ)も……」

 ざわざわと生徒たちから声が上がる。

 何…もう、終わりにしてよ…。
 拘束され、苦無を突き付けられ、絶対的な庇護を失った明日香は周りの騒めきに意を返さない。

「あなた達。その手を離しなさい」
 芯の通った声に明日香がのろのろと頭を上げた。自分の方が年上なのに、彼女の方が年上に見えるような威圧感。右分けの前髪とサイドの一部以外の髪は桃色の頭巾に収めた少女は、明日香を一瞥する。
「……しかし、六年くノたま組、瀬川美也先輩」
「美ぃが離せと言ってるんだから、離しなさい。水の姫の言うことが聞けないのなら、火の姫が重ねて言うわ。離しなさい」
 焦げ茶の髪を輪に結った六年のくノたまが四年のくノたまをちらりと見て言う。先程「殺すのは早計」と声を上げたくノたまだ。明日香は少しばかり希望が見えた気がした。
「同じく六年の霧壺沙衣先輩。火水の姫が申されても、この天女と名乗る女狐は我らくノたまの敵。即刻排除が宜しいでしょう?」
 くすくすと周囲から笑い声が上がる。殺すのは当然でしょう、ねえ? 四年くノたまたちはよっぽど腹に据え兼ねているようだ。
「駄目よ。私たちは学園長の命に従っているのだから」
 四年い組の綾部喜八郎に瓜二つのくノたまが唇に笑みを刷いて答える。その顔を明日香は目を丸くして見つめた。黒帯のみで紅の組紐を結んでないのは礼儀作法組の証。その少女は明日香を見てにこりと微笑む。何故か明日香の背筋が凍る。
「風の姫…。六年礼儀作法組の綾部弥白先輩……それはどういうことですか」
 名を聞いて、これが噂の綾部喜八郎の姉か、と納得する。見れば見る程顔はよく似ているし、どこか不思議ちゃんのような雰囲気を持っている。周りはそれ以上も以下も教えてくれなかったが。

「そのままの意味さ。学園長先生はこの学園で血が流れる事をお望みでない」
 凛と涼やかな、少女にしてはやや低めの声がまっすぐな黒髪を結った少女の口から洩れる。
「…六年くノたま組の秋月皐月先輩……では、地の姫含む四姫、そうして桜橘を含む五年くノたまは学園長の命で動いていらっしゃるのですね」
「ああ。そうだ。この愚かな喜劇をずっと見ていた」
 皐月は表情一つ崩さずに淡々と言う。

「ちょっと待て! お前ら、実習に出ていたんじゃあ」
 文次郎が喚く。
「そうだそうだ! 何でずっと見ていたってことになるんだ?」
 小平太が言うと、瑠璃の帯をしめた赤みの強い茶髪のくノたまが呆れたように兄である小平太を見る。
「兄上。少々お黙んなさい」
「何だと小雪! 兄に向ってそんな口をき「良いですか小平太兄上。これ以上何かを言うと、兄上の一等大事にしてある春画を燃や「わかった! 私黙るな!!」それでよろしいです。兄上」
「……(流石小雪…小平太の扱い方を心得ている)」
 長次がぼそぼそと呟き、それを聞きとめた雷蔵が苦笑した。

「実習には出ていました。潮江先輩」
 ふわふわとした黒髪のくノたまが口を開く。黒目がちの瞳はゆたりと笑んだ。
「五年くノたま組、十草香波か」
「香波。続けろ」
「はい。立花先輩。確かに私たちは実習に出ていました。しかし、私たちは呼び戻されたのです。そちらの、天女が現れたことによって」
 香波が明日香を指示し、まだいたのか、と生徒たちは明日香を見下した。
 その視線が居た堪れないのか明日香は視線を落し項垂れる。

「私たちはそれからずっと学園の様子を傍観していました」
「学園長先生の命は、誰かが動くまで傍観していること。期限を過ぎた場合、我々が出張り、天女を始末すること」
 小雪が後を引き継いで答えると、明日香の体がこわばる。始末…その意味は一つしかない。

「なぜ私たちに言わなかった」
 仙蔵が問うと、香波と小雪は冷笑を浮かべた。
「先輩方、可笑しなことを仰らないでください。腸が捩じれそうです」
「申し上げても、色ボケされた先輩方は信じないでしょう? 傍観し、状況を把握できる駒は外にいた私たちにしか出来ぬこと」
「どう落されたかは知らないけれど? アンタたちにもちゃんと灸は据えてあげてよ」
 沙衣がくすくすと笑いながら宣言する。
 四姫の本気を知る六年から四年は声なき悲鳴を上げ、桜橘の所業を知る三年以上も怯えるしかない。

 しかも、その四姫と桜橘のタッグ。恐怖は倍以上だ。

「……沙衣、加減はしてね?」
 伊作が言うと、沙衣はニヤリと笑う。それはもう悪人も真っ青の顔だ。
「イサ? ンなわけないでしょう、ふざけるのも大概にしやがりなさい」
「伊作先輩。骨は拾って差し上げます」
 にっこにこと志帆が言うと、この世の終わりかのように伊作が呻く。
「志帆までええええ……」
「汐ちゃんまで巻き込んだから仕方ありません」
「志帆。縄の準備できたよ」
 汐琉が大量の罠を二輪車に積んで現れる。ちなみに二輪車は汐琉だけで引っ張っているのではなく、一年のしんべヱ、喜三太、平太も押すのを手伝っていた。
「さすが汐ちゃん! 用具委員の鑑です!!」
「し…汐……」
 留三郎が汐琉を見る。
「留先輩。裏切り者には容赦がないのがくノ一教室の美徳なんです」
「そんな美徳…いらない……」
 脱力した上級生に、四年以上のくノたまたちが縄を手に一斉に飛びかかる。自分たちが悪いのも自覚している上級生の忍たまたちはされるがままだ。


「沙衣。灸を据えるのはまた後だ。まずは目の前の問題を解決しよう」
「あ、そうだね。さっちゃん。えーと、そうだね。香波と小雪が適役かな」
「私もそう思う。香波、小雪」
 皐月が呼ぶと、桜橘が揃う。
「「はい」」
 皐月はす、と左の人差し指で目を指し下に指を下ろす。
「天女を学園の外へ出し、良く良く因果を含めて今後、学園の敷地へ一切立ち入らないようにさせなさい」
 左の人差し指はそのまま口元に持って行かれ、唇に触れる。触れた後は指を離しバツ印を描いた。
 ぱあっ、と二人の目が輝く。忍たまからは死角になって見えていないがくノたまには見えた。四年以上のくノ一組のくノたまはその符牒を見て、表情には出さないが心の中で喝采を上げた。

 くノたまの四年以上のくノ一組にだけ伝わる符牒。

 左手の人差し指で目を指し、下に指を下ろすことは「指令」を意味する。
 同じく左手の人差し指で唇に触れ、離した指でそのままバツ印を描く。それは「死人に口なし」。つまり「殺せ」ということ。

 六年くノたま組、及び、学園長含む教職員が下した決定。

 

 天女は学園外で殺すこと。

 

「どのような手を使っても良いわ。よくよく因果を含めておいて頂戴ね」
 沙衣がにこやかに笑って言う。
「沙衣。灸をすえる準備をするわよ」
「あ。美ぃ待って」
「お願いね、二人とも。大変だとは思うけれど」
「「お任せください。四姫。この桜橘、見事因果を含め、あの天女に二度と学園の敷地を踏ませないように致します」」
 ざっ、と片膝を付き深く頭を下げる二人を見ながら勘右衛門が感心したように頷く。そうして次々と鮮やかな手さばきで拘束されゆく同級生や先輩後輩を眺める。

「勘ちゃん助けて…」
「駄目だよ。へーちゃん。自業自得だよ。あ、明菜。見物に行く?」
 傍に寄って来た友人に勘右衛門は気さくに声をかける。明菜はどこかほっとしたように勘右衛門に近づいた。
「……先輩方は何をする気だろうね」
「さあね? 四姫が考える事は分からないから。分かりたくもないし」
「…トラウマだもんね…」
 どこか遠くを見つめる明菜に勘右衛門は乾いた笑いを浮かべるしかない。
「一応おれたちは加減されてる方らしいけどね」
「後輩だから?」
「うん。というわけで、そこ四人。その希望に縋ってて」

 ひらひらと手を振り、ドナドナのようにくノたまたちに引かれていく同級生を見送る。

「「「「裏切り者~~~~~~!!!!!!」」」」

「どっちがだよ。な、明菜」
「あはは…」


「さて。うちはこれを鍛え直そうかね」
「刃衣さん、見てていいですかあ?」
「よかよ。危ないから離れて見ないかんけんね」
「は組皆で良いですかー?」
「お菓子は持参、お茶はうちの分も淹れてね」
「はーい」
 刃衣と一年は組の良い子は鍛冶工場へ。
 い組みろ組はいつもの日常へ。二年生はお灸とやらを見に行く者行かぬ者に分かれ、学園はいつもの平穏を取り戻す。

 

 


「立って」
 香波が明日香の腕を引き無理矢理立たせた。
「……私はどうなるの」
 諦めきった表情の明日香に、小雪が真面目な顔で答える。
「良く良く因果を含め、学園に今後一切立ち入らないようにとのお達しです」
「その為にはどんな手も行使していいの」
 無理矢理歩かせ、門に辿り着くと、小雪が『北條明日香』と綺麗な字で出門表に名を記入する。

 学園から大分離れた山。
 そこまで引っ張られた明日香は茫洋としたまま辺りを見回す。

「ここに放り出されるの…?」
「指令は“死人に口なし”」
「心からありがたみなさいな。天女様。もう恐れも苦痛もない安らかな死出の旅にお連れしましょう」
「まあ。あの世の入口に立つまでちょっとキツイかも知れないけれど」
 手首を拘束され、手近な木につま先がぎりぎり付く所までで吊るされる。

 彼女たちの手にあるのは様々な刃物。
 遅行性の毒やらが塗ってあったりする拷問用。

「「さあ。天女様、私たちと遊びましょう」」


 悲鳴が響くがそこは山の中。
 普通の人間は立ち入ることのない場所。
 悲鳴と共にくすくすとさざめく笑い声。

 悲鳴が途切れた後には……。

 

これにて終幕!















 


 やあ。
 久方ぶりだね、人間の子。どうだい、楽しかったろう。

 散々だった?
 それはいけないな。

 折角私が日没までに会った人間が好意的になるよう仕向けてあげたのに。

 ……ああ、そうか。
 駄目だね君は。

 人とは神にも時に扱いにくいものだ。
 そんな傲慢な振舞い方をしたのなら、君に責がある。

 それにしてもとんだ姿になったものだ。

 人間の嫉妬とは恐ろしいものだねえ。

 くわばらくわばら。

 さてと、今度はもっと感じのいい子を連れてくることにしよう。誰からも好かれ、誰からも愛され、敵を作らない子を。
 適度に作る分は良いけど、ちゃんと和解ができるようにね。

 君にとっては漫画の…二次元の世界なのだろうけど、彼らにとってこの世界は現実であり、三次元のことだ。
 そこを踏まえて、君の世界と同じように考えていればまだマシだったかも知れないね。
 まあ、それもかもしれない、という理屈だが?

 どう足掻いてもこのような結果になったかもしれないしね。


 うーん、女の子を放り込むのも飽きたなあ。
 マンネリかな。

 よーし。
 今度は男の子にしようかなあ。


 いやいや。
 神様業って案外暇で暇で仕方がないんだ。

 丁度良い暇つぶしになってくれてありがとね♪
 
 


蛇足。
神様と天女の会話。
…会話?
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私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
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最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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