色々ネタ置き場(主にRKRN)。
主に二次創作・夢小説系。ごく稀にオリジナルもあるかもしれない。。。
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1/22のCC福岡で無料配布予定の「あけおめ。」の鉢雷会話の補足部分。
勘くくです。2011年にうpした大晦日のと繋がってるようで別次元。あっちは鉢雷の両親ハワイだけどあけおめ。の方は北海道に旅行行ってるから…。
勘くくです。2011年にうpした大晦日のと繋がってるようで別次元。あっちは鉢雷の両親ハワイだけどあけおめ。の方は北海道に旅行行ってるから…。
※1/22のCC福岡で無料配布予定の「あけおめ。」と微妙に繋がっている話。
商店街で豆腐屋を営む尾浜家では大晦日の夕方あたりから近所の人間が集まって酒盛りをして年越しをするのが通例となっている。今日も各々店に出している酒やら何やらを持ち込んで座敷でどんちゃん騒ぎだ。ちなみにこれに参加している酔っぱらいに捕まると問答無用で酒を飲まされるので…勘右衛門自身、昔はよく捕まって呑まされていた。最近は捕まらないように他の四人がいる学園の寮に行ったりしている。今回はその四人が尾浜家に来たため、勘右衛門は遊びに来た友人らに「絶対に関わるな」とキツく言い聞かせた。特に女の子の久々知氷華と不破雷春が部屋を出る時は酔っぱらいに絡まれないように見張りをしたり、母親に対処してもらったりと気を付けていた。
が。
「…………あれ? ひーちゃんどこ行ったの?」
「勘ちゃんがお茶淹れに行ってる間にお手洗いに行ったよぉ? ついて行こうか? って聞いたら、大丈夫、って言ったから……」
雷春がゲームに熱中している三郎と八左ヱ門から視線を外して言った。勘右衛門は台所から出て途中にあるトイレの様子を思い出して首を傾げる。トイレの明かりは点ってはいなかった。つまり、中にはだれもいないはずなのだ。熱い緑茶が入った大きな急須をテーブルに置きながら、まさか、と顔を上げた。
「…………あんの酔っぱらい…っ!」
酔っぱらいにはついて行くな、と言っていたし、あまり面識のない人間に氷華がほいほいついて行くわけもないだろう。なのに戻っていない、ということはそれなりに親しい人間…つまりは尾浜の家の者に連れて行かれたのが妥当な線。母や祖母が若い娘を酔っぱらいの巣窟へ送り込むことはしないだろう。父や祖父は少々怪しい。しかし一番怪しいのは、大晦日の度にこの飲み会に若い子が少ないと文句を垂れている姉の照代だ。『昔』北石照代というくノ一だった彼女は何の縁か勘右衛門の姉として転生していた。記憶はないようで普通の現代女性として生きている彼女は酒好きで宴会好きだ。将来の妹にほぼ確定している氷華を気に入っているので、宴会場に連れて行った確率は高い。
「雷ちゃん。俺ちょっと下見てくる」
「うん、行ってらっしゃい」
ひらひら手を振って雷春は勘右衛門を見送ると、ゲーム画面に視線を戻す。そして雷春はあれ? と首を傾げた。
「ゲーム止めるの?」
ゲーム機本体とテレビの電源を切って、三郎と八左ヱ門が立ち上がる。
「勘右衛門、宴会場行ったんだろ?」
「行ったけど」
「面白そうだから行こうかなーってさ!」
「えー…勘ちゃんが怒るよー? あんなに口酸っぱくして言ってたんだからさぁ」
雷春が眉を八の字にして困ったように二人を見上げた。
襖の向こう側では酔っぱらい達が笑いながら酒を呑んでいる様子が伺える。襖を開けて勘右衛門が入ると「おぉ」と歓声が上がる。
「勘右衛門! お前の嫁はイケる口だなぁ!」
「……未成年に酒呑ますなよ酔っぱらい共」
「いいじゃん勘~! 女の子少ないからひーちゃん入れたんじゃん」
ケラケラと照代が笑いながら隣にいる氷華の肩を抱く。氷華は目元をほんのり赤くしながらこくこくとグラスの中の透明な液体を呑んでいる。空になったグラスにすかさず照代が日本酒の瓶を持ち上げて中身を注ぎ、自分のグラスにも手酌で注ぐ。そしてくーっと一気に飲み干してグラスをトン、と机に置くと周りからやんややんやと歓声が上がる。
「照姉。ひーちゃんって呼ぶな。そして酒呑ますな。ついでに女の子が来ないのは大概がデートだからです。照姉みたいに独り身じゃないんです」
こくこくと黙ってグラスを空けている氷華からグラスを取り上げて「戻るよー」と声をかける勘右衛門の脇腹を照代がグーで殴る。
「ったぁ!!?」
「アンタ自分が彼女持ちだからってその言い方ないじゃなーい!! お姉ちゃんものすっごく傷ついたんだから!! だからひーちゃん今日一日好きにしたっていいじゃないのー!!」
ぎゅーっと照代が氷華を抱きしめると逆隣にいた酔っぱらいが「じゃあおじさんも」と便乗して抱きしめる。ひくり、と勘右衛門の口元が引きつる。氷華は平然とした表情で勘右衛門を見上げている。周りは野次をとばしたりして楽しんでいるが、後からやって来た三人組が声なき悲鳴をあげていた。
「勘」
隣にいつの間にか祖母が立ってハリセンを勘右衛門に渡す。
手加減なしに氷華に抱きつく二人にハリセンを叩きつけると、二人はあまりの痛さに唸り、周りは楽しそうに笑う。
「勘ちゃん」
氷華が上体を捻って両手を伸ばす。勘右衛門が腰を落として氷華と視線を合わせて「何?」と問おうとすると頭を引き寄せられ、次の瞬間に周りから大歓声が上がった。
「だぁい好き」
とろりとした笑顔を氷華は浮かべると、カクンと首が落ちる。勘右衛門は何事も無かったかのように氷華を抱えると座敷を出る。背後から「もう終わりかー!」「もっとやれー!」との野次は飛ぶが無視だ。祖母が来てたのでそこら辺の野次は抑えこむだろう。
「…………勘右衛門。顔超にやけてる」
「鉢屋、部屋居ろって言ったじゃん。雷ちゃんまで連れてきて。酔っぱらいに絡まれたらどうするの」
「勘ちゃん、その顔で言ってもまるで説得力がない」
「八ちゃんも鉢屋止めてよね。ひーちゃんが酔うと寝落するだけだから助かるよ。これは『昔』から変わってないね」
廊下に出た途端ににやけ顔になった勘右衛門に三郎と八左ヱ門がツッコむがスルーする。
「そうだねぇ。取り敢えず寝かせておこうか。0時までに起きるかなあ」
くーくーと寝息を立てている氷華を覗き込んだ雷春がうーんと唸る。
「いや…あと三十分じゃ無理だろうねぇ。これじゃあ、雷ちゃんたちと帰れないだろうからこのまま泊めておくとして…雷ちゃん胡乱な目を向けないで。何もしないからさすがに」
「そぉいうことにしといてあげるー」
「ありがとう? ほら部屋に戻るよー。お寺に除夜の鐘つきに行くんでしょー。準備始めようか」
年越しまであと三十分。
商店街で豆腐屋を営む尾浜家では大晦日の夕方あたりから近所の人間が集まって酒盛りをして年越しをするのが通例となっている。今日も各々店に出している酒やら何やらを持ち込んで座敷でどんちゃん騒ぎだ。ちなみにこれに参加している酔っぱらいに捕まると問答無用で酒を飲まされるので…勘右衛門自身、昔はよく捕まって呑まされていた。最近は捕まらないように他の四人がいる学園の寮に行ったりしている。今回はその四人が尾浜家に来たため、勘右衛門は遊びに来た友人らに「絶対に関わるな」とキツく言い聞かせた。特に女の子の久々知氷華と不破雷春が部屋を出る時は酔っぱらいに絡まれないように見張りをしたり、母親に対処してもらったりと気を付けていた。
が。
「…………あれ? ひーちゃんどこ行ったの?」
「勘ちゃんがお茶淹れに行ってる間にお手洗いに行ったよぉ? ついて行こうか? って聞いたら、大丈夫、って言ったから……」
雷春がゲームに熱中している三郎と八左ヱ門から視線を外して言った。勘右衛門は台所から出て途中にあるトイレの様子を思い出して首を傾げる。トイレの明かりは点ってはいなかった。つまり、中にはだれもいないはずなのだ。熱い緑茶が入った大きな急須をテーブルに置きながら、まさか、と顔を上げた。
「…………あんの酔っぱらい…っ!」
酔っぱらいにはついて行くな、と言っていたし、あまり面識のない人間に氷華がほいほいついて行くわけもないだろう。なのに戻っていない、ということはそれなりに親しい人間…つまりは尾浜の家の者に連れて行かれたのが妥当な線。母や祖母が若い娘を酔っぱらいの巣窟へ送り込むことはしないだろう。父や祖父は少々怪しい。しかし一番怪しいのは、大晦日の度にこの飲み会に若い子が少ないと文句を垂れている姉の照代だ。『昔』北石照代というくノ一だった彼女は何の縁か勘右衛門の姉として転生していた。記憶はないようで普通の現代女性として生きている彼女は酒好きで宴会好きだ。将来の妹にほぼ確定している氷華を気に入っているので、宴会場に連れて行った確率は高い。
「雷ちゃん。俺ちょっと下見てくる」
「うん、行ってらっしゃい」
ひらひら手を振って雷春は勘右衛門を見送ると、ゲーム画面に視線を戻す。そして雷春はあれ? と首を傾げた。
「ゲーム止めるの?」
ゲーム機本体とテレビの電源を切って、三郎と八左ヱ門が立ち上がる。
「勘右衛門、宴会場行ったんだろ?」
「行ったけど」
「面白そうだから行こうかなーってさ!」
「えー…勘ちゃんが怒るよー? あんなに口酸っぱくして言ってたんだからさぁ」
雷春が眉を八の字にして困ったように二人を見上げた。
襖の向こう側では酔っぱらい達が笑いながら酒を呑んでいる様子が伺える。襖を開けて勘右衛門が入ると「おぉ」と歓声が上がる。
「勘右衛門! お前の嫁はイケる口だなぁ!」
「……未成年に酒呑ますなよ酔っぱらい共」
「いいじゃん勘~! 女の子少ないからひーちゃん入れたんじゃん」
ケラケラと照代が笑いながら隣にいる氷華の肩を抱く。氷華は目元をほんのり赤くしながらこくこくとグラスの中の透明な液体を呑んでいる。空になったグラスにすかさず照代が日本酒の瓶を持ち上げて中身を注ぎ、自分のグラスにも手酌で注ぐ。そしてくーっと一気に飲み干してグラスをトン、と机に置くと周りからやんややんやと歓声が上がる。
「照姉。ひーちゃんって呼ぶな。そして酒呑ますな。ついでに女の子が来ないのは大概がデートだからです。照姉みたいに独り身じゃないんです」
こくこくと黙ってグラスを空けている氷華からグラスを取り上げて「戻るよー」と声をかける勘右衛門の脇腹を照代がグーで殴る。
「ったぁ!!?」
「アンタ自分が彼女持ちだからってその言い方ないじゃなーい!! お姉ちゃんものすっごく傷ついたんだから!! だからひーちゃん今日一日好きにしたっていいじゃないのー!!」
ぎゅーっと照代が氷華を抱きしめると逆隣にいた酔っぱらいが「じゃあおじさんも」と便乗して抱きしめる。ひくり、と勘右衛門の口元が引きつる。氷華は平然とした表情で勘右衛門を見上げている。周りは野次をとばしたりして楽しんでいるが、後からやって来た三人組が声なき悲鳴をあげていた。
「勘」
隣にいつの間にか祖母が立ってハリセンを勘右衛門に渡す。
手加減なしに氷華に抱きつく二人にハリセンを叩きつけると、二人はあまりの痛さに唸り、周りは楽しそうに笑う。
「勘ちゃん」
氷華が上体を捻って両手を伸ばす。勘右衛門が腰を落として氷華と視線を合わせて「何?」と問おうとすると頭を引き寄せられ、次の瞬間に周りから大歓声が上がった。
「だぁい好き」
とろりとした笑顔を氷華は浮かべると、カクンと首が落ちる。勘右衛門は何事も無かったかのように氷華を抱えると座敷を出る。背後から「もう終わりかー!」「もっとやれー!」との野次は飛ぶが無視だ。祖母が来てたのでそこら辺の野次は抑えこむだろう。
「…………勘右衛門。顔超にやけてる」
「鉢屋、部屋居ろって言ったじゃん。雷ちゃんまで連れてきて。酔っぱらいに絡まれたらどうするの」
「勘ちゃん、その顔で言ってもまるで説得力がない」
「八ちゃんも鉢屋止めてよね。ひーちゃんが酔うと寝落するだけだから助かるよ。これは『昔』から変わってないね」
廊下に出た途端ににやけ顔になった勘右衛門に三郎と八左ヱ門がツッコむがスルーする。
「そうだねぇ。取り敢えず寝かせておこうか。0時までに起きるかなあ」
くーくーと寝息を立てている氷華を覗き込んだ雷春がうーんと唸る。
「いや…あと三十分じゃ無理だろうねぇ。これじゃあ、雷ちゃんたちと帰れないだろうからこのまま泊めておくとして…雷ちゃん胡乱な目を向けないで。何もしないからさすがに」
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この好きは『好き』でいいのでしょうか?(次浦+綾)
私は彼女が幸せであるよう希う(再録:私が彼を嫌いな理由。&ハッピーエンドをつかみとれ!)(次浦+綾)
海に関するetc.(次浦+綾(タカ綾))
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いお
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/03/19
自己紹介:
五年(特にい組)と三年と綾部が好きな一般人←
最近ハートの国のアリスシリーズにハマったらしいです。
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